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2009/07/07 (Tue)
図書館で好きなコーナーがあって、一つは、「記録・ルポルタージュ」系。もう一つは、「犯罪」のコーナーで、行きつけの図書館の開架されている蔵書は大抵読んだ感じです。

犯罪のコーナーにあったこの本、背表紙でのチョイスでしたが、一生の記憶に残りそうなインパクトある内容でした。


昭和44年に、高校1年生の男子がクラスメートを刺殺。首を切り落として蹴飛ばしたという衝撃的な事件がありました。その後、加害者は少年院、医療少年院を経て社会に出、有名大学を卒業して、弁護士になって財をなしていたという内容です。

このルポルタージュは、被害者の母と妹による告白が中心で、家族をこのような形で失ったあとの悲劇が、リアルに描かれています。

家族の要のような存在であった少年を失ったことで、それぞれが心のバランスを崩し、家族が壊れそうになりながら、ぎりぎりのところでとどまっているような年月が、ずっと続くのです。記憶が欠落した母、さらには、自分が死ぬべきであったとまで思い詰め自分の存在を否定する妹さんの告白には、本当に心が痛みます。

そして、一方で加害者少年は、少年犯罪の経歴が問われず弁護士となり、被害者家族の接触に対し、何の反省も示さない無情な態度を示したことが、記述されています。

もともとは加害者少年による侮辱的発言、態度があったのだから、ある意味では正当な殺人である、という言い分なのかも知れません。

この本によると、被害者家族は、家族を失わされたこと、さらには加害者から何の反省もない態度を示されたことで、二重の被害を受けています。読後に、やり場のないような憤りを感じてしまいます。

この本の出版後、加害者側に対する強いバッシングがあって、弁護士を廃業したらしいという情報もネット上に載っていますが、真偽は如何に。

それはそれで、この事件によって誰も救われなかったのではないかというむなしさが、心を包みます。

弁護士を廃業するよりも、「加害者が、その後の家族の人生を知って、深く反省したらしい」と聞く方が、気持ちの整理がつくように思います。人の想いの強さと怖さを感じる本でした。

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