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2009/07/10 (Fri)
中学1年生、ボンの教科書に載っていた、『オツベルと象』。

国語の授業で、読後に分からないところを提出しあい、それに対して自分の意見を考えるという宿題があるのだが、やっぱりさっぱり分からない、というので、母も「どれどれ」と読んでみました。


そしたら。  

・・・すごい。宮澤賢治様、すごすぎる。言葉をつむいでいくことで、こんなにあっという間に、独特の世界に連れて行ってくれる。それでいて、ストーリーが、超・含蓄に富んでいる。

さすがです。


中学生の最大の疑問は、「最後の一文の意味が分からない」というものだったようです。


オツベルは、経営する仕事場に迷い込んできた白象をてなづけ、その善良な心につけこんで、手かせ足かせをつけて働かせる。オツベルを信じ、頑張りに頑張って働きすぎて、やせ細った象は、突然に現れた「赤い着物の童子」に手紙をゆだね、森の仲間に渡してもらう。

それによって象の襲撃を受けて、オツベルは死んでしまうのですが、そういったストーリーの最後に、突然、「おや、川へはいっちゃいけないったら」という一文が来るのです。

その、唐突な最後の一文が、この物語全体に、不思議なベールをかけていて、鳥肌がたつ位です。


その文章の解釈や如何に?と息子ボンと議論したのですが、私は、白象がオツベルに「川から水を汲んでくれ」と頼まれるくだりがあることから、オツベルから解放されてもなお、白象は、ふらふらと川に行ってしまったのかな、と答えました。

しかし、ネット上においては、物語の冒頭に「牛飼いがものがたる」とあることから、その聞き手が川に行こうとしたのを止めたものではないか、という解釈が主流なようです。

確かにそれも、すごく筋が通っていますね。


答えは、作者の中にしかないのかも知れないけれど、こういった、よく意味の分からない不思議な文章があるというのも、宮澤賢治の魅力かと思います。


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北国の山に囲まれて育ち、今は山のない関東平野に住んでいます。夫、子ども3人(ボン13歳 ヒメ8歳 マナ6歳)、自分の母と暮らしています。フルタイムワーカーでもあり、大忙しで日々が過ぎてゆきます。
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