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2009/07/14 (Tue)
物語の奥に、その著者ならではの世界観が広がる人。

大抵はそうなんだろうけれど、それが色濃く、くっきりと現れる作家というのは、今、それ程多くないのではないかと思います。

個人的には、村上春樹が筆頭ですが、小川糸さんの小説も、独特の世界観があります。

この物語は、谷中が舞台になっているのですが、その描き方が細やかで、もし小川さんが谷中に住まずにここまで描けているとしたら、すっごいなあ・・・、プロだなあ・・・と感嘆せずにはいられません。

ストーリーは、谷中でアンティークの着物屋さんを営む栞さんと、客としてお店を訪れた春一郎さんの恋愛が軸になっています。

『食堂かたつむり』と同様に、食が大切に描かれていて、谷中の街の美しさや住む人の暖かさもあいまって、読後にほんわかと幸せ気分になる物語になっています。


ただ、個人的には、ひとつ気になることが。

春一郎さんのあり方が、「女子(女性ではなくて)の好む男性像」の範囲を出ていない、と感じます。

男性としてのリアリティが薄いように思います。

春一郎さんが高所恐怖症であることをきっかけに手をつなぐエピソードが、ちょっと、興ざめる。

それから、初めて2人で一夜を過ごす晩に、精神的な深まりを示す象徴的エピソードはあるものの、男性は、こんな感じで好きな人と夜を過ごすでしょうか??と思いました。

とはいえ、なんだかんだ言っても、全体的には良い本です。

読んだ後、しばらくは小川糸ワールドの、素敵な女子になった気分になれます。

女子にお勧めです。

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