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スウェーデンハウス、子育て、料理、暮らしのこと
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2024/05/04 (Sat)
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2009/08/07 (Fri)
世界で、100万人位の人が、この本の感想を書くのだろうと思いつつ。

ゲーマーにとっては、ドラクエが発売されるのが心待ちで、発売されたら、仕事休んでもやりたい!という楽しみ具合のようですが、私にとっては、村上春樹の本がそんな感じです(その割には読み始めるの遅かったですが^^;)。


物語は、天吾くんと青豆さんのそれぞれの物語が、交互につづられていきます。

2人の生活や体験は、当初、かけはなれていて、パラレルであると感じますが、ふたつの物語は徐々に近づいていき、交錯をはじめます。


物語のひとつの軸は、天吾くんと青豆さんの少年少女期の心の深い結びつき、そして、大人になった2人が、相手の存在をどのように自分に位置付け、とらえなおしていくか、そして、2人は運命の人として、出会えるのか、ということです。

そして、もうひとつの軸は、「空気さなぎ」という物語と、その作者ふかえりの存在。その背景には、日本が生み出してきたもの、光の反対側にある、深い影のようなものが描かれています。


読んでいて感じたこと。

1.天吾と、青豆のストーリーが徐々に交錯し、2人の気持ちが、離れたところにいながら、からみあってゆく過程は、心をかきたたせ、自分の深いところが刺激される感じでした。

2.戦後、日本の歩んできた方向、その中で、安保闘争や、オウム真理教が生まれたこと。生物・遺伝子操作の進歩。
そういったことの意味と背景を、1Q84の世界という形をとりながら、象徴的に描いていると感じました。

3.空気さなぎ、リトルピープル、マザとドウタ・・・。それらが、どういった意味をもつのか、というのが、読後も、今ひとつ整理が出来ていません。私の頭が悪いためだと思われます(笑)。

ひとつ、疑問なのが、失踪の後に現れたふかえり。「わたしにはセイリがない」と言っています。ということは、このふかえりは、ドウタなのでしょうか。最初からドウタだったのか。失踪後にドウタが現れたのか。

それが、ふかえりのドウタだとすれば、それは何故なのか。リーダーの死とリンクしていて、天吾が次のリーダーに選ばれたのか?


・・・あと、5回位読めば、段々かみくだいていけるのかも知れません。
総論としては、すごくおもしろかったし、名作だと思います。

以上。

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2009/08/05 (Wed)
河合隼雄先生は、日本で最も、対談の上手な方だったのではないかなと思う。

対談のパートナーが投げかける問いに対して、素晴らしく的確に、おもしろく、レスポンスを返してくれる。

2人の対話は、掘り下げられ、深まっていって、ちゃんと、たどり着くべきところにたどり着いていく。

読んでいると、やはり、河合先生は、希有のカウンセラーなのだ、ということを実感させられる。

1対1で向かい合うときに作り出される世界、というのが、暖かく、読んでいるだけで居心地が良い。これは、河合先生のパワーだと思う。


でも、この本は、本当に残念なことに、たどり着く直前で、終了してしまっている。「次はこんな話をしましょう」という言葉を先生は残したまま、その2か月後に、先生は言葉が発せられない状態になってしまったから。

最後の小川洋子さんの文章には、その残念さが、にじみ出ていて、胸を打たれる。

私は心理学出身なので、河合先生のことをすごく尊敬していて、その偉大さは、美空ひばりさんなみ!と思っていた。

亡くなられたことが本当に残念。


2009/08/04 (Tue)
2004年、47歳の男性が、近所に住んでいた10歳の少女を連れ去って、沖縄に行く、という事件が発生。

この本は、男性の手紙や証言、少女の周辺からの情報収集をもとに、事件の実態や、前後の状況をまとめたルポルタージュです。

少女は、父親がなく、母親は生後6か月のときに少女を捨てて家を出ます。

祖父母に育てられたのですが、5歳頃から、近隣に「虐待されている」と触れ回るようになり、児童相談所が関与するところに。

児童相談所は、家庭裁判所に審判申し立てをするものの、祖父の強い抗議があって、結局、虐待の裏付けがないとして、少女は家庭に戻ることになります。

その後も、少女自身が「虐待されている」と触れ回り、あざや悲鳴も確認されていたとか・・・。

さらには、近隣に住む男性に、5歳頃から性的虐待を受けていたことも分かります。


そういった経過もあって、10歳の頃には、加害者となった47歳男性に親しげに近寄り、お金、物を要求したり、少女が男性を翻弄していた様子が随所にみられます。

男性は、少女を虐待から救うために、関わりを持っていたのだと、膨大な手紙で著者に主張します。


本の後半では、裁判の経過で明らかにされた、男性と少女の関係の実際が、暴かれていきます。

前半を読んでいると、著者の、男性への嫌悪感が行間に感じられるのですが、後半を読むと、その理由が、分かってきます。


男性は実刑判決を受け、少女は、児童相談所に一時保護となるものの、結局は祖父母のもとへ戻って中学生活を送っている、とのこと。

児童相談所が家裁の審判を申し立てる程ですから、家庭環境には何らかの問題があったはずですが・・・。

私も、この少女と同じような性格(他人に強く甘える一方で、わがままで翻弄する)の子と、一定期間関わったことがあるのですが、その子もまた、一番甘えたい家族から見捨てられ、愛情が決定的に不足した状態にありました。



少女は、家族・近隣男性・加害男性から虐待を受けたという点で、3重の被害者なのかも知れません。その中で培われている彼女の気質もまた、犯罪をよぶ危険なものになっています。

少女は被害者でありながら、おそらく矯正が必要な成長の仕方をしています。

とても、哀しい本でした。


2009/07/30 (Thu)
日本軍による、中国・朝鮮・インドネシアにおける強姦や慰安所における性暴力をルポルタージュした本です。

数多くの具体的証言と被害者の写真を掲載しており、本当に、こんな残忍な行為が、60余年前に行われていたという事実をつきつけられます。

これが事実であれば、日本軍は悪魔、鬼畜、そのものであり、中国や韓国の人々に、今もなお恨まれても仕方がないと私は思います。


慰安所に対する評価はまちまちで、売春婦が商売として勤めていたのだという見方もあるようです。それも、一部にはあったのかも知れません。

しかし、数多くは、だまされたり、強制されたりして連れてこられた少女だったのです。15歳や、16歳の。1日に70人も相手させられる、抵抗すると殴られる、蹴られる。


また、一般市民に対する強姦被害も数多く、また壮絶です。わざわざ、残忍なやり方をするのです。

息子に母親を襲わせる、妊婦の腹を切り裂く、子ども達の前で母親をレイプして殺害する、などのエピソードが、たくさん紹介されています。

あまりのひどさに、強い怒りが生じます。

加害者は、それまで、平凡な市民だったのです。それが、戦争というだけで、こういった残忍な行為を行う。

戦争が終われば、また善良な市民に戻るのでしょう。

環境が人を変えるのでしょうか。人の心って、むちゃくちゃこわいなあ・・・、と思いました。

戦争のとき、何があったかを知ることが出来ます。お勧めです。


2009/07/28 (Tue)
女性限定”ウィメンズパーク”というサイトで、妻としての悩みを告白し、それに対する助言や応援コメント、批判等をやりとりする掲示板があるそうで。

その中の代表的なものを、テーマ別にまとめたものです。

夫の知的レベルが低い、暴力をはたらく、浮気、性関係の悩み、義父母との関わり、等々。

そういったテーマに関するアンケート結果や、ひとつのテーマ(例えば「離婚しようと思ったとき」みたいな)に関する多くのコメントがまとめられていて、そこはおもしろい。

悩みと、それに対するコメント自体は、ネット上でもいくらでも見られるものだけれど、要領よく本にまとまっているので、読みやすいとも言える。


ただ、内容に関していうと、どうしても「女性限定」という弱さがあるというか・・・。

こういったもめごとって、両者の話を聞かなくちゃ真実が見えてこない、ということがあるので、一方だけの話に対して、強い同情や共感をするという流れに、若干の違和感を憶えました。

まあ、そこを割り引いて考えたとしても、主観的に悩みをかかえている「妻」に、匿名の同姓からたくさんの応援が寄せられて、元気になれる!というのは、ネットのすごい効果だと思います。

「掲示板に出したら、こんなに私と同じ意見の人がいたわよ!」と夫を責めるのは、どうかと思うので(^^;)、自分のストレス軽減や、癒しの薬とする、というのが、こういう掲示板の正しい使い方かな、と感じました。

それから、読み手としては、隣の家をのぞきみる、あるいは、家政婦はみた!みたいなおもしろさはある本だ!と思いました。

以上。

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自己紹介:
北国の山に囲まれて育ち、今は山のない関東平野に住んでいます。夫、子ども3人(ボン13歳 ヒメ8歳 マナ6歳)、自分の母と暮らしています。フルタイムワーカーでもあり、大忙しで日々が過ぎてゆきます。
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