スウェーデンハウス、子育て、料理、暮らしのこと
2009/08/04 (Tue)
2004年、47歳の男性が、近所に住んでいた10歳の少女を連れ去って、沖縄に行く、という事件が発生。
この本は、男性の手紙や証言、少女の周辺からの情報収集をもとに、事件の実態や、前後の状況をまとめたルポルタージュです。
少女は、父親がなく、母親は生後6か月のときに少女を捨てて家を出ます。
祖父母に育てられたのですが、5歳頃から、近隣に「虐待されている」と触れ回るようになり、児童相談所が関与するところに。
児童相談所は、家庭裁判所に審判申し立てをするものの、祖父の強い抗議があって、結局、虐待の裏付けがないとして、少女は家庭に戻ることになります。
その後も、少女自身が「虐待されている」と触れ回り、あざや悲鳴も確認されていたとか・・・。
さらには、近隣に住む男性に、5歳頃から性的虐待を受けていたことも分かります。
そういった経過もあって、10歳の頃には、加害者となった47歳男性に親しげに近寄り、お金、物を要求したり、少女が男性を翻弄していた様子が随所にみられます。
男性は、少女を虐待から救うために、関わりを持っていたのだと、膨大な手紙で著者に主張します。
本の後半では、裁判の経過で明らかにされた、男性と少女の関係の実際が、暴かれていきます。
前半を読んでいると、著者の、男性への嫌悪感が行間に感じられるのですが、後半を読むと、その理由が、分かってきます。
男性は実刑判決を受け、少女は、児童相談所に一時保護となるものの、結局は祖父母のもとへ戻って中学生活を送っている、とのこと。
児童相談所が家裁の審判を申し立てる程ですから、家庭環境には何らかの問題があったはずですが・・・。
私も、この少女と同じような性格(他人に強く甘える一方で、わがままで翻弄する)の子と、一定期間関わったことがあるのですが、その子もまた、一番甘えたい家族から見捨てられ、愛情が決定的に不足した状態にありました。
少女は、家族・近隣男性・加害男性から虐待を受けたという点で、3重の被害者なのかも知れません。その中で培われている彼女の気質もまた、犯罪をよぶ危険なものになっています。
少女は被害者でありながら、おそらく矯正が必要な成長の仕方をしています。
とても、哀しい本でした。
この本は、男性の手紙や証言、少女の周辺からの情報収集をもとに、事件の実態や、前後の状況をまとめたルポルタージュです。
少女は、父親がなく、母親は生後6か月のときに少女を捨てて家を出ます。
祖父母に育てられたのですが、5歳頃から、近隣に「虐待されている」と触れ回るようになり、児童相談所が関与するところに。
児童相談所は、家庭裁判所に審判申し立てをするものの、祖父の強い抗議があって、結局、虐待の裏付けがないとして、少女は家庭に戻ることになります。
その後も、少女自身が「虐待されている」と触れ回り、あざや悲鳴も確認されていたとか・・・。
さらには、近隣に住む男性に、5歳頃から性的虐待を受けていたことも分かります。
そういった経過もあって、10歳の頃には、加害者となった47歳男性に親しげに近寄り、お金、物を要求したり、少女が男性を翻弄していた様子が随所にみられます。
男性は、少女を虐待から救うために、関わりを持っていたのだと、膨大な手紙で著者に主張します。
本の後半では、裁判の経過で明らかにされた、男性と少女の関係の実際が、暴かれていきます。
前半を読んでいると、著者の、男性への嫌悪感が行間に感じられるのですが、後半を読むと、その理由が、分かってきます。
男性は実刑判決を受け、少女は、児童相談所に一時保護となるものの、結局は祖父母のもとへ戻って中学生活を送っている、とのこと。
児童相談所が家裁の審判を申し立てる程ですから、家庭環境には何らかの問題があったはずですが・・・。
私も、この少女と同じような性格(他人に強く甘える一方で、わがままで翻弄する)の子と、一定期間関わったことがあるのですが、その子もまた、一番甘えたい家族から見捨てられ、愛情が決定的に不足した状態にありました。
少女は、家族・近隣男性・加害男性から虐待を受けたという点で、3重の被害者なのかも知れません。その中で培われている彼女の気質もまた、犯罪をよぶ危険なものになっています。
少女は被害者でありながら、おそらく矯正が必要な成長の仕方をしています。
とても、哀しい本でした。
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2009/07/30 (Thu)
日本軍による、中国・朝鮮・インドネシアにおける強姦や慰安所における性暴力をルポルタージュした本です。
数多くの具体的証言と被害者の写真を掲載しており、本当に、こんな残忍な行為が、60余年前に行われていたという事実をつきつけられます。
これが事実であれば、日本軍は悪魔、鬼畜、そのものであり、中国や韓国の人々に、今もなお恨まれても仕方がないと私は思います。
慰安所に対する評価はまちまちで、売春婦が商売として勤めていたのだという見方もあるようです。それも、一部にはあったのかも知れません。
しかし、数多くは、だまされたり、強制されたりして連れてこられた少女だったのです。15歳や、16歳の。1日に70人も相手させられる、抵抗すると殴られる、蹴られる。
また、一般市民に対する強姦被害も数多く、また壮絶です。わざわざ、残忍なやり方をするのです。
息子に母親を襲わせる、妊婦の腹を切り裂く、子ども達の前で母親をレイプして殺害する、などのエピソードが、たくさん紹介されています。
あまりのひどさに、強い怒りが生じます。
加害者は、それまで、平凡な市民だったのです。それが、戦争というだけで、こういった残忍な行為を行う。
戦争が終われば、また善良な市民に戻るのでしょう。
環境が人を変えるのでしょうか。人の心って、むちゃくちゃこわいなあ・・・、と思いました。
戦争のとき、何があったかを知ることが出来ます。お勧めです。
数多くの具体的証言と被害者の写真を掲載しており、本当に、こんな残忍な行為が、60余年前に行われていたという事実をつきつけられます。
これが事実であれば、日本軍は悪魔、鬼畜、そのものであり、中国や韓国の人々に、今もなお恨まれても仕方がないと私は思います。
慰安所に対する評価はまちまちで、売春婦が商売として勤めていたのだという見方もあるようです。それも、一部にはあったのかも知れません。
しかし、数多くは、だまされたり、強制されたりして連れてこられた少女だったのです。15歳や、16歳の。1日に70人も相手させられる、抵抗すると殴られる、蹴られる。
また、一般市民に対する強姦被害も数多く、また壮絶です。わざわざ、残忍なやり方をするのです。
息子に母親を襲わせる、妊婦の腹を切り裂く、子ども達の前で母親をレイプして殺害する、などのエピソードが、たくさん紹介されています。
あまりのひどさに、強い怒りが生じます。
加害者は、それまで、平凡な市民だったのです。それが、戦争というだけで、こういった残忍な行為を行う。
戦争が終われば、また善良な市民に戻るのでしょう。
環境が人を変えるのでしょうか。人の心って、むちゃくちゃこわいなあ・・・、と思いました。
戦争のとき、何があったかを知ることが出来ます。お勧めです。
2009/07/28 (Tue)
女性限定”ウィメンズパーク”というサイトで、妻としての悩みを告白し、それに対する助言や応援コメント、批判等をやりとりする掲示板があるそうで。
その中の代表的なものを、テーマ別にまとめたものです。
夫の知的レベルが低い、暴力をはたらく、浮気、性関係の悩み、義父母との関わり、等々。
そういったテーマに関するアンケート結果や、ひとつのテーマ(例えば「離婚しようと思ったとき」みたいな)に関する多くのコメントがまとめられていて、そこはおもしろい。
悩みと、それに対するコメント自体は、ネット上でもいくらでも見られるものだけれど、要領よく本にまとまっているので、読みやすいとも言える。
ただ、内容に関していうと、どうしても「女性限定」という弱さがあるというか・・・。
こういったもめごとって、両者の話を聞かなくちゃ真実が見えてこない、ということがあるので、一方だけの話に対して、強い同情や共感をするという流れに、若干の違和感を憶えました。
まあ、そこを割り引いて考えたとしても、主観的に悩みをかかえている「妻」に、匿名の同姓からたくさんの応援が寄せられて、元気になれる!というのは、ネットのすごい効果だと思います。
「掲示板に出したら、こんなに私と同じ意見の人がいたわよ!」と夫を責めるのは、どうかと思うので(^^;)、自分のストレス軽減や、癒しの薬とする、というのが、こういう掲示板の正しい使い方かな、と感じました。
それから、読み手としては、隣の家をのぞきみる、あるいは、家政婦はみた!みたいなおもしろさはある本だ!と思いました。
以上。
その中の代表的なものを、テーマ別にまとめたものです。
夫の知的レベルが低い、暴力をはたらく、浮気、性関係の悩み、義父母との関わり、等々。
そういったテーマに関するアンケート結果や、ひとつのテーマ(例えば「離婚しようと思ったとき」みたいな)に関する多くのコメントがまとめられていて、そこはおもしろい。
悩みと、それに対するコメント自体は、ネット上でもいくらでも見られるものだけれど、要領よく本にまとまっているので、読みやすいとも言える。
ただ、内容に関していうと、どうしても「女性限定」という弱さがあるというか・・・。
こういったもめごとって、両者の話を聞かなくちゃ真実が見えてこない、ということがあるので、一方だけの話に対して、強い同情や共感をするという流れに、若干の違和感を憶えました。
まあ、そこを割り引いて考えたとしても、主観的に悩みをかかえている「妻」に、匿名の同姓からたくさんの応援が寄せられて、元気になれる!というのは、ネットのすごい効果だと思います。
「掲示板に出したら、こんなに私と同じ意見の人がいたわよ!」と夫を責めるのは、どうかと思うので(^^;)、自分のストレス軽減や、癒しの薬とする、というのが、こういう掲示板の正しい使い方かな、と感じました。
それから、読み手としては、隣の家をのぞきみる、あるいは、家政婦はみた!みたいなおもしろさはある本だ!と思いました。
以上。
2009/07/26 (Sun)
たましいは永遠に残るのか。死んだら全ては無、なのか。
私は前者を信じていているので、どっちかとゆーと、江原さん派です(^^)。
この本は、「あの世の存在なんて信じない」派の中年サラリーマン(記者)が、その視点から江原さんに対してインタビューをするという形式をとっています。
最後まで、霊関係の話については「うさんくさい!」という立ち位置を崩しませんが、社会や家庭、人のあるべき生き方に関する江原さんの主張には、納得できるものがある、という考えに至って、本は終了しています。
江原さんの霊視に間違いがある!という指摘は、江原批判の根拠として、いくつか見られますが。
私の考えとしては、霊能力者というのは、100%ではなくて、学力と同じように、よく出来る人と出来ない人がいる、ということなんじゃないかと。
江原さんは、霊能力界の東大生。
ものすごーく優秀だけど、東大生だって、テストで間違うこと、ありますよねえ。
霊能力に限って、100%間違わないことを当然とするのは無理があると思います。
それをもって、江原さんはインチキ!と糾弾するのも、狭量ではないかと。
佐藤愛子さんの著書(『私の遺言』)を読むと、江原さん(&美輪様)は、霊能力者として優秀だったんだ、と実感させられます。『私の遺言』は、かなり説得力のある本です。
話がそれましたが。
江原さんの本は、霊界や幽霊に関する不思議な話ばかり書いているわけではなくて、「人がいかに生きるべきか」ということを、大半書いています。
たましいをみがくために、こんな風に生きて欲しいということが書いてある。
その内容は、人間関係、家族関係、社会をあたたかくするものです。
霊界を信じなかったとしても、自分をみがくことに、少しでも興味がある人は、読んでみてもいいのではないか、と思います。
以上。
私は前者を信じていているので、どっちかとゆーと、江原さん派です(^^)。
この本は、「あの世の存在なんて信じない」派の中年サラリーマン(記者)が、その視点から江原さんに対してインタビューをするという形式をとっています。
最後まで、霊関係の話については「うさんくさい!」という立ち位置を崩しませんが、社会や家庭、人のあるべき生き方に関する江原さんの主張には、納得できるものがある、という考えに至って、本は終了しています。
江原さんの霊視に間違いがある!という指摘は、江原批判の根拠として、いくつか見られますが。
私の考えとしては、霊能力者というのは、100%ではなくて、学力と同じように、よく出来る人と出来ない人がいる、ということなんじゃないかと。
江原さんは、霊能力界の東大生。
ものすごーく優秀だけど、東大生だって、テストで間違うこと、ありますよねえ。
霊能力に限って、100%間違わないことを当然とするのは無理があると思います。
それをもって、江原さんはインチキ!と糾弾するのも、狭量ではないかと。
佐藤愛子さんの著書(『私の遺言』)を読むと、江原さん(&美輪様)は、霊能力者として優秀だったんだ、と実感させられます。『私の遺言』は、かなり説得力のある本です。
話がそれましたが。
江原さんの本は、霊界や幽霊に関する不思議な話ばかり書いているわけではなくて、「人がいかに生きるべきか」ということを、大半書いています。
たましいをみがくために、こんな風に生きて欲しいということが書いてある。
その内容は、人間関係、家族関係、社会をあたたかくするものです。
霊界を信じなかったとしても、自分をみがくことに、少しでも興味がある人は、読んでみてもいいのではないか、と思います。
以上。
2009/07/25 (Sat)
「男女に友情は成立するのか」というテーマがありますが。
この本を読んでいると、向田さんと久世さんの間には、恋愛関係ではないが、それよりもっと深い、暖かいつながりが確かにあって、男女に、恋愛関係を超えた関係は存在するのだなあ、と実感しました。
読んでいると、ふたりは前世で姉弟だったでしょう!と、霊能者でもないのに、感じるようでした。
「触れもせで」というのは、二十年にわたる友情、仕事の同志としての愛情がありながら、久世さんは、向田さんに触れたことさえなかった、というエピソードから来ています。このことについて、語っている久世さんの文章は、秀逸です。
なんか、一生憶えてるかも、と思うくらいでした。
ふたりの間にある会話は、知的探求心が強く、くだらない話といいながらも理知的だったり、人の心のおもしろさを感じさせるものだったり、色んな意味で、向田さんも久世さんも、「選ばれた人」なんだなあ、と感じました。
向田さんの不慮の死とその後の喪失感に関する文章も、久世さんのたまらない想いが、色々な比喩をもちいながら、読者に伝わるように確かに表現されていて、素晴らしいです。
私、若い頃に向田邦子の本を読んで、あまりに人の本性が巧みに生々しく表現されているので、嫌気がさしてしまった経験があるのですが。
もうすぐ40歳になる今の自分なら、また違う視点で読めるかも、と思い始めています。
向田邦子に再チャレンジしようかな、と。
この本を読んでいると、向田さんと久世さんの間には、恋愛関係ではないが、それよりもっと深い、暖かいつながりが確かにあって、男女に、恋愛関係を超えた関係は存在するのだなあ、と実感しました。
読んでいると、ふたりは前世で姉弟だったでしょう!と、霊能者でもないのに、感じるようでした。
「触れもせで」というのは、二十年にわたる友情、仕事の同志としての愛情がありながら、久世さんは、向田さんに触れたことさえなかった、というエピソードから来ています。このことについて、語っている久世さんの文章は、秀逸です。
なんか、一生憶えてるかも、と思うくらいでした。
ふたりの間にある会話は、知的探求心が強く、くだらない話といいながらも理知的だったり、人の心のおもしろさを感じさせるものだったり、色んな意味で、向田さんも久世さんも、「選ばれた人」なんだなあ、と感じました。
向田さんの不慮の死とその後の喪失感に関する文章も、久世さんのたまらない想いが、色々な比喩をもちいながら、読者に伝わるように確かに表現されていて、素晴らしいです。
私、若い頃に向田邦子の本を読んで、あまりに人の本性が巧みに生々しく表現されているので、嫌気がさしてしまった経験があるのですが。
もうすぐ40歳になる今の自分なら、また違う視点で読めるかも、と思い始めています。
向田邦子に再チャレンジしようかな、と。