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2009/07/25 (Sat)
「男女に友情は成立するのか」というテーマがありますが。

この本を読んでいると、向田さんと久世さんの間には、恋愛関係ではないが、それよりもっと深い、暖かいつながりが確かにあって、男女に、恋愛関係を超えた関係は存在するのだなあ、と実感しました。

読んでいると、ふたりは前世で姉弟だったでしょう!と、霊能者でもないのに、感じるようでした。

「触れもせで」というのは、二十年にわたる友情、仕事の同志としての愛情がありながら、久世さんは、向田さんに触れたことさえなかった、というエピソードから来ています。このことについて、語っている久世さんの文章は、秀逸です。

なんか、一生憶えてるかも、と思うくらいでした。

ふたりの間にある会話は、知的探求心が強く、くだらない話といいながらも理知的だったり、人の心のおもしろさを感じさせるものだったり、色んな意味で、向田さんも久世さんも、「選ばれた人」なんだなあ、と感じました。

向田さんの不慮の死とその後の喪失感に関する文章も、久世さんのたまらない想いが、色々な比喩をもちいながら、読者に伝わるように確かに表現されていて、素晴らしいです。


私、若い頃に向田邦子の本を読んで、あまりに人の本性が巧みに生々しく表現されているので、嫌気がさしてしまった経験があるのですが。

もうすぐ40歳になる今の自分なら、また違う視点で読めるかも、と思い始めています。

向田邦子に再チャレンジしようかな、と。

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北国の山に囲まれて育ち、今は山のない関東平野に住んでいます。夫、子ども3人(ボン13歳 ヒメ8歳 マナ6歳)、自分の母と暮らしています。フルタイムワーカーでもあり、大忙しで日々が過ぎてゆきます。
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